『現役時全敗から1浪で慈恵会、昭和、順天堂、東医を制覇した合格者インタビュー』

現役時の全敗から一念発起し、慈恵会に合格!

2016年年度入試で東京慈恵会医科大学医学部、順天堂大学医学部、東京医科大学医学部に正規合格、昭和大学医学部に特待合格したMIさん(海城高等学校出身)。現役のときは大手予備校に3年間通って勉強したもののどこにも受からず。そこで自分の甘さにようやく気づき、必死に苦手な数学と向き合うことでしっかり克服し、念願の最難関私立医学部に合格を果たしました。現役のときからどのように転身したかを語っていただきました。

高校生のときを振り返る

【小川先生】 高1、2年生のときは、どんな感じで勉強していましたか?

 

【MIさん】 親に言われるがまま大手予備校に通い、なんとなく勉強していました。勉強のやり方もわからず、やみくもに勉強するだけで復習もあまりしなかったですね。中弛みしていたこともあって、なかなか勉強に積極的に向き合えなかったです。学年の順位も180人中150位でした。

 

【小川先生】 それは危機的な状況でしたね。3年生になって心境の変化はありましたか?

 

【MIさん】 さすがに焦ってきて、気持ちは高まってきましたが、予備校に行って先生の板書を写していればできるようになるだろうという感覚で、漠然と勉強していました。勉強法がまったく分からなかったので、本屋さんでたまたま見つけた本を中途半端に読み漁り、問題をただ解くだけという感じでした。

 

【小川先生】 現役生は受験対策が不十分なまま、入試に突入するケースが多いですからね。そのときの結果はどうでしたか?

 

【MIさん】 弘前に出願しましたが、見事に足切りされてしまい、私立も一次でどこにも引っかからなかったです。完敗でした。(笑)このときに、これじゃ何年やっても受からないと痛感しました。

苦手な数学を克服できたのが合格のカギ

【小川先生】 浪人が決まって、一番最初にしたことは何ですか?

 

【MIさん】  やみくもに問題を解いて、ふ~んじゃまずいと思って、進学アドバイザーに相談して、まず計画を立てるようにしました。数学だったら、標準レベルの問題がバランスよく集められた予備校のテキストだけをとにかく仕上げようと決め、目次をみながら分野ごとに毎日問題を解くようにしました。週末にその週の授業で扱った問題を復習し、前期の最後にもう一度復習し、夏休みに総復習をして弱点をつぶしていきました。それに先生方が、僕の低レベルな質問にも面倒くさがらず丁寧に答えてくれたので、本当に助かりました。いま思えば、どこまでも先生方を信じ、テキストを信じてやり抜いたことが合格につながったのだと確信しています。

 

【小川先生】 ほかに参考書や問題集は使わなかったんですか?

 

【MIさん】 そうですね。どの問題集でも中途半端にやってたら吸収できないし、だったらベースとなるものを決めて、あとはひたすらそれを繰り返して解くようにしました。とくに数学はバラバラにたくさんの問題を解くんじゃなく、定石問題に潜んでいる思考パターンを深く理解することに集中しました。何回か繰り返し解いていると、ここが軸だなというのが見えてきて、その考え方が身につくと、意外とほかの問題にもつながることに気づいてきました。

 

【小川先生】 過去問対策はいつ頃から始めましたか?

 

【MIさん】 授業では10月くらいまでは基礎を徹底的に固めていたので、過去問を解くのは遅かったですね。やっぱりどこの問題を解くにしてもベースというものがありますからね。そのうえに傾向対策というものが乗っかると思っていたので、焦って過去問を夏から解くとかはしませんでした。

全滅して自分の甘さに気づいた

【小川先生】 現役時と浪人時で何が変わりましたか?

 

【MIさん】 自分の甘さに気づき、勉強をしっかりやるようになったことです。予備校に行ってるだけで成績が上がる、と思っていた現役時代の自分が今思うと恥ずかしいですね。とくに授業の復習をしっかりやるようにしました。周りの受験生もやる気がある人が多く、合格する雰囲気がありました。そんな環境だったので、予備校に行かなかったのは年末年始くらいで、あとは毎日朝8時半から夜9時まで自習室にいました。大手と違って場所取りする必要がないですし、ゆったりスペースを使えるのがとてもよかったです。よく周りから「そんなに勉強して辛くなかった?」って聞かれるんですけど、最初の数ヶ月我慢すればあとは身体が慣れてくるので辛くはなかったです。逆に行ったり休んだりすると、ペースが崩れて逆に辛くなると思います。

 

【小川先生】 後輩のみなさんへメッセージをお願いします。

 

【MIさん】 結果をつかむには忍耐が必要です。ただ、ある程度のレベルまでいくとその大変さを楽しむ余裕も出てくるにで、簡単に諦めたり逃げたりしないほうがいいです。あとは、自分の現状をよく知って、弱点を客観的に分析したほうがいいです。自分は落ちたとき気付けました。とにかく中学生や高校生は早く事の深刻さに気づいて、具体的に行動にうつしてください。そうすれば何浪もしなくて済みます。高校のとき模試の偏差値が50を切ったこともあったこの僕でも、70近くまで伸びて合格することができたのだから、早めに勉強し出せば現役で合格するはずです。最後は気持ちです。受験直前の12月のセンター模試で700点を切ったこともありましたが、ここまでがんばってきたんだからもっとやれると自分を信じて強気で試験に臨みました。最後は模試の判定でもネットの情報でもなく、これまで積み重ねてきた努力に対する誇りや自信で合否は決まると僕は思います。

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